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世論

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題名:世論<上>
著者:W.リップマン(訳:掛川トミ子)

出版年:岩波書店
出版社:1987年

1932年に書かれた本とは思えないほど斬新。
現在を描いていると言っても過言ではないと思う。

ステレオタイプにより私たちの思考は歪められる傾向が高い。
だから、リップマンは
「人々に偏見を捨てさせ態度を変えさせるようにニュースの背景を周到に説明し、
分析することの方に、より重要な意義があると信じていた。」(pp267 解説)

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題名:世論<下>
著者:W.リップマン(訳:掛川トミ子)

出版年:岩波書店
出版社:1987年

社会科学者の困難やらが適切に指摘されている。
社会科学の重要性が適切に評価されていて嬉しい。

以下、メモ。

ニュースと真実は同一物ではなく、はっきりと区別されなければならない。(p214)

ジャーナリストに可能でもありまた要求されてもいる仕事は、人々の意見形成のもととなるいわゆる真実といわれるものが不確実な性格のものであることを人々に納得させること、批評と扇動によって社会科学を刺激し、おと役立つような社会事象の体系づくりをさせること、そして政治家たちを突っついてもっと目に見えるような諸制度を確立させることである。(p217)

新聞は諸制度の代役をは果たすものではない。新聞はサーチライトのようなもので、休みなく動き回りながら暗闇の中に一つまた一つとエピソードを浮かびあがらせる。(p221)

教師にできることは、人糸が自分自身の頭にもっと大量の知恵を仕込んだ上でそのような世界と取り組めるように育ててやることである。(p271)



# by sakonia73livre | 2020-12-29 16:28 | 社会的知識

うまくいっている人の考え方_e0158454_16565070.jpg
題名:うまくいっている人の考え方
著者:ジェリー・ミンチントン、(訳:弓場隆)
出版年:2013年
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン

仏教の教えを分かり易く説いたような本。


# by sakonia73livre | 2020-12-27 16:57 | ポップな教え

現代洗脳のカラクリ

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題名:現代洗脳のカラクリ
著者:苫米地英人
出版年:2018年
出版社:

トランプ大統領誕生に見られる米国社会についての分析が面白かった。
後半は、オウム真理教元信者を脱会させた話(だったと思う…読んでから2か月ぐらい経ってしまい記憶が曖昧)。
「どや顔」な書きぶりなのだが、脱会させた方法については内容が薄かった(気がする)。

# by sakonia73livre | 2020-12-26 18:30 | ポップ・サイエンス

歪んだ正義 「普通の人」がなぜ過激化するのか_e0158454_18193679.jpg
題名:歪んだ正義 「普通の人」がなぜ過激化するのか
著者:大治朋子

出版年:2020年
出版社:朝日新聞出版

誰でも過激化する可能性がある。
それを様々な研究(主に心理学)を用いて明らかにしていく。
大変説得力のある本だ。

シリアの青年が過激化する経緯など丁寧に追った
Scott Atranとも通じるところがあり、興味深かった。

自分が関係したイベントについても書かれていて驚き(嬉しかった)。



# by sakonia73livre | 2020-12-26 18:20 | 社会的知識

ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論_e0158454_18121524.jpg
題名:ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論
著者:デヴィッド グレーバー, (訳:酒井隆史・芳賀達彦・森田和樹)
出版年:2020年
出版社:岩波書店

グレーバーの本や論文は、入手可能である限り読むことにしている。
翻訳されたものを初めて今回購入した。
出来る限り早く、読んでいないグレーバーの本を手にしたかったからだ。
というのは、
グレーバーが9月2日に突然、他界したからだ。

なんてこった。

こんなに人を魅了する内容のある議論を展開できて、
こんなにポップにも脚光を浴びた人類学者は、なかなかいない。
そんな半世紀に一度ぐらいの逸材だろうグレーバーが亡くなってしまった。

「次はどんな本を書くのだろう?」と思わせてくれる人類学者。
はー。


# by sakonia73livre | 2020-12-26 18:13 | 人類学(Ethnography)