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創られた伝統

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題名:創られた伝統 (文化人類学叢書)
著者: Eric Hobsbawm, Terence Ranger, (訳:前川 啓治, 梶原 景昭)
出版年:1992年
出版社:紀伊國屋書店

要約となるだろう文は以下。

「旧来の」伝統が当てはまらない新たな伝統を生み出し、それにそって「旧来の」伝統が案出された社会的形式を急激な社会変動が弱めるか、崩壊させえるとき、あるいはそうした旧来の伝統とその制度の担い手や施工者がもはや充分な適応力や柔軟性を失ったと判明するか、さもなくばそれらが削除されるときに、最も頻繁に生じると考えるべきだろう。要するに、受容あるいは供給の側に充分に大規模で急激な変化がある場合であり、そのような変化は過去200年間大変顕著で、新たな伝統がこの時期に集中して即時の形式を遂げた、と考えるのはもっともなことである(p14)

章としては、私はやはり、次の章が面白かった。

5章 「ヴィクトリア朝インドにおける権威の表象」 バーナード・S・コーン
6章 「植民地下のアフリカにおける創りだされた伝統」 テレンス・レンジャー

5章は、留学時代にみっちりインドを勉強しているときに読んで、「え?日本の教育で教わったことは何だったの?」と思って愕然としたのを覚えている。歴史って何?と思った瞬間でもあったのかな。
by sakonia73livre | 2015-05-03 02:35 | 人類学(Ethnography)