ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言
2018年 05月 04日
ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言
題名:著者:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ (訳:三浦 みどり)
出版年:2016年
出版社:岩波書店
Alexievich, Svetlana. 1985. The Last Witnesses: A Hundred Unchildlike Lullabies
著者の『セカンドハンドの時代』を読んで感銘を受け、
著者の本は可能な限り読みたいと思った。
この本が2冊目。
第二次世界大戦、特にドイツのナチによるドイツ侵攻に、子どもたちがどう向き合ったのかが書かれている。
生まれたばかりだった人の証言もある。
著者も冒頭で述べているように、幼過ぎて何も覚えていないのではないかと訝しく思ったが、
時系列的に、論理的に出来事を追わず、
恐怖や悲哀などの感情で戦争を捉えていた分、
その証言は悲痛なものだし、心を揺さぶられた。
淡々と語っているから余計に。
各章は次のように展開する。
- 初めに
- 1941年6月22日
- ドイツ軍の下で
- 疎開の日々
- 孤児たち
- 少年兵
- ただ記憶の中で
- 戦争が終わって
戦勝国のソ連も、庶民はこんなに悲惨な経験をしたのだ。
戦争は全力で避けるべきものだと改めて感じた。
by sakonia73livre
| 2018-05-04 22:51
| 文学