人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言

題名:ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言_e0158454_22501538.jpg
著者:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ (訳:三浦 みどり)
出版年:2016年
出版社:岩波書店

Alexievich, Svetlana. 1985. The Last Witnesses: A Hundred Unchildlike Lullabies

著者の『セカンドハンドの時代』を読んで感銘を受け、
著者の本は可能な限り読みたいと思った。
この本が2冊目。

第二次世界大戦、特にドイツのナチによるドイツ侵攻に、子どもたちがどう向き合ったのかが書かれている。
生まれたばかりだった人の証言もある。
著者も冒頭で述べているように、幼過ぎて何も覚えていないのではないかと訝しく思ったが、
時系列的に、論理的に出来事を追わず、
恐怖や悲哀などの感情で戦争を捉えていた分、
その証言は悲痛なものだし、心を揺さぶられた。
淡々と語っているから余計に。

各章は次のように展開する。
  • 初めに
  • 1941年6月22日
  • ドイツ軍の下で
  • 疎開の日々
  • 孤児たち
  • 少年兵
  • ただ記憶の中で
  • 戦争が終わって

戦勝国のソ連も、庶民はこんなに悲惨な経験をしたのだ。
戦争は全力で避けるべきものだと改めて感じた。

by sakonia73livre | 2018-05-04 22:51 | 文学